プーランクの《ナゼルの夜会》
本日は、演奏会に足を運んで下さりありがとうございます😊
今回はプログラムの方に曲目解説等を載せることが難しかったため、少し今日演奏します曲について、お話しさせて頂きたいと思います♪
開演までにちらっと読んでいただけると嬉しいデス❤️
フランシス・プーランク(1899〜1963)
プーランクはフランスのパリ生まれの作曲家でありピアニストです。
作曲家としての功績としては特に、管楽器を含む室内楽曲に多いですが、ピアノ演奏にも大変熟達していたと言われ、それは自身の歌曲のピアノパートにも多分に活かされています。
プーランクは、ドビュッシーやラヴェルの作品の初演を多数行ったことで知られるリカルド・ビニェス(1875〜1943)にピアノを師事していました。ビニェスは、プーランクに沢山の有名な音楽家たちとの繋がりや経験を与えました。
また、8才の頃にドビュッシーの《神聖な舞曲と世俗の舞曲》を聴いたプーランクは、9の和音(ドが根音ならばドミソシレ、となる不協和音のこと)に「なんて素敵なんだ!それに少し変!」と大変感銘を受け、ピアノで再現して楽しんだとのエピソードもあります。
ドビュッシーへの憧れが詰まったプーランクの作品には、"9の和音"がたくさん散りばめられているので、そのぶつかり合う響きを楽しんで頂きたいです。
プーランクは大の愛犬家でもあります。
《ナゼルの夜会》FP84は1930年(31歳)よりスケッチがスタートしました。
プーランクは1927年より、ノワゼー(フランス)に仕事場としての邸宅を設けました。それは、1935年に亡くなった「リエナールおばさん」の愛称でプーランクが家族ぐるみで親しくしていたヴィルジニ・リエナール(1845〜1935)が近くに住んでいたからです。
彼女は大の音楽ファンでリストの演奏やワーグナーの指揮を聴いたことがあり、プーランクにとっては大切な話し相手でした。1936年に、リエナールへの思い出として《ナゼルの夜会》は献呈されました。
後にクロード・ロスタン(音楽評論家)との対話の中でプーランクは「自作のピアノ曲の中で好きではない作品」としてこの作品を挙げていて、「処罰する!」とまで話しています。
ピアノ独奏曲に対しては、作曲家自身がテクニックに熟練しているために難しいメロディーばかり書いてしまい、本当に書きたい音楽的内容がかえって他の楽器の作品よりも表現しづらかったそうです。しかしこの作品でも「メランコリックなメロディー」「遊び心を持ったリズム」など、様々なプーランクの音楽的特徴を味わえると思います。
この曲は序奏曲、カデンツァ、8つの変奏、カデンツァ、終曲という順番の「性格的小品集」です。
変奏とは言えども「テーマとなるメロディーが最初にあり、その後に変奏曲が続く」という基本的な変奏曲の形式は取っていません。
フランスのトゥーレーヌでの「夜会(サロン)」に集まった人々の性格を、即興的に描き出したものだとプーランクは語っています。そしてフランス人的感覚に溢れた、皮肉を持った題名がそれぞれの曲に付けられています。
私も1曲ごとに、周囲の人のイメージを当てはめているので、今日はその人たちのことをおもいながら弾きたいと思います。
Prèambule (序奏)
(カデンツァ)
〜8つの変奏〜
1. Le comble de la distinction (有り余る名誉)
2. Le cœur sur la main (逐語訳=手の上の心)
3. La désinvolture et la discrétion (無遠慮と慎み深さ)
4. La suite dans les idées (思考の一貫性)
5. Le charme enjôleur (口車の魅力)
6. Le contentement de soi (自己満足)
7. Le goût du malheur (不幸好み)
8. L'alerte vieillesse (老いへの警鐘)
カデンツァ
Finale (フィナーレ)
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